2013-03-09

遠くを見る癖

そんなお芝居が昔ありました。
かもねぎショットという演劇集団の作品。「遠くを見る癖」。
女二人が舞台上手(かみて)下手(しもて)に張る綱をひたすら昇るっていう。
綱の先はどこなのか。綱の先はあるのか。綱の先に向かってひたすら。”しあわせ”を求めてひたすら進む。ひたすらひたすらひたすら。
女二人の、先を見つめる目線と共にわたしはよく”言葉”として「遠くを見る癖」と言う”音”を思い出します。
生活の中で、こうふと「遠くを見る癖」ってワードが脳みそ内に響く。
この言葉に限らずそういう印象的な、自分にとって印象的な、きっと何かしら私というものの形成に関わっているそんな言葉をいくつか持っています。
これはそんな中のひとつ。
遠くを見る癖。
いつも印象的だなと思う”目”は、ここではない何処かを見ている人の目。
今じゃない何処か遠く。
そういえば、「ここではないどこかへ」と言う言葉もよく響いている言葉の中のひとつ。
お気に入りの中のひとつです。これもまた演劇から。
これは2012年1月に解散した第三舞台の演出家・鴻上尚史さんのエッセイ集のタイトル。
ここではないどこかへ。

わたしは、きっとずっといつも大抵どこか遠くへ行きたいみたい。
これはひとつの病です。しあわせな病です。

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